第5話:「暗記はだめだ!」は本当か?

世間一般的には
「暗記」というのは
「詰め込み教育」と言われ
とにかく批判されています。

しかし 僕に語学を教えてくれた
日系アメリカ人の7ヶ国語話者の方は
単語の発音と意味を
丸暗記するよう言いました。

僕も実際に丸暗記したところ
英語に対する理解力が
急激に上がりました。

なぜ 丸暗記で
英語に対する理解力が
急激に上がったのか。

この謎に対する僕の仮説があります。

エドリアーン・グルートという
オランダの心理学者は、
1流と2流のチェス選手を
比較研究しました。

しかし 1流と2流では
読んでいる手数は同じでした。

むしろ1流のチェス競技者は
深く考えてもいませんでした。

チェスの研究者は
次のことを発見しました。

それは 1流と2流では
チェスの知識に10倍の差が
あるということです。

東大医学部卒で精神科医の
和田秀樹博士は
「数学は暗記だ!」という
本を出しています。

つまり頭を使うと思われている
チェスや数学ですら
知識や暗記が重要かもしれない、
ということです。

さて 英語に関して言えば
リスニング能力は
英語の周波数帯を聞き取れるかだと
いう人もいます。

しかし 試しに聴覚検査などで
英語の周波数帯の音を
聞いてみればわかりますが
ほとんどの人は聞き取れると思います。

アメリカ人が
コウモリやイルカであれば
確かに聞き取れませんが
彼らも人間です。

聞こえてもわからないのであれば
単に知らないだけではないのでしょうか。

東京大学理科Ⅲ類に現役入学し
精神科医になったある方は
勉強の最大のコツは暗記であると
言い切っています。(1)ゆうきゆう(2013)夢をかなえる勉強術 SB文庫

そして 理解は後から付いてくると
彼は話しています。(2)ゆうきゆう(2013)夢をかなえる勉強術 SB文庫

知らないことは理解できないわけですから
知識の後に理解が付いてくるんですね。

また これは僕の考えですが、
英会話などの応用は
単語のなどの基礎の知識が
あってこそではないでしょうか。

つまり 何よりも先に
基礎の知識を暗記してしまうことが
理解や応用につながると思います。

これは僕の仮説ですが
日本では学校教育への反感からか
知識や暗記が過小評価されて
いるように思います。

しかし 結局は 真面目に勉強して
単語や表現の知識を覚えることで
着実に英語ができるように
なると思います。

…..

さて 次は「多言語話者が
『語学の神様』と呼ぶ先生の教え」について
お話しいたします。

脚注、引用・参照文献   [ + ]

1, 2.ゆうきゆう(2013)夢をかなえる勉強術 SB文庫