第12話:「音で覚えろ!」の落とし穴

これまで4話続けて

「英単語を発音から覚えれば
意味を覚えやすくなり
英語を聞きとりやすくなり
よりズムーズに読めるようになる」

という仮説をお話ししました。

こういった話をすると
「じゃぁ、英語を
音で覚えればいいんですね!」
という人が出てきます。

しかし 教材に音声がついていても
「発音記号がついていない教材」を使うと
勉強すれば勉強するほど
英語ができなくなる可能性があると思います。

なぜなら 発音記号がついていないと
日本人は「音から発音を推測」しようと
してしまうと思うからです。

「発音の推測」をやってしまうと
間違った発音を
推測してしまう可能性があります。

例えば、日本語の「あ」のような音は
英語ではæ,ʌ,ɑ,ɔ(1)アメリカ英語ではɑとɔを区別しない場合があります。ですので、「お」のような発音だと思われているɔは「あ」のように聞こえる場合があります。の4種類ありますが、
とっさに聞き分けることが
できますでしょうか。

おそらく「聞き分ける」どころか
適当にまとめて「ア」と認識している人が
多いと思います。

間違った発音で英単語を覚えてしまうと
聞いても分からなかったり
言っても通じないことが
多くなるでしょう。

しかも 間違った発音で英単語を覚えると、
英文を読んだときに 間違った発音を
頭で響かせてしまうと思います。

すると英文を読めば読むほど
間違った発音が
頭に刷り込まれるのでは
ないでしょうか。

ですので 発音記号無しの教材で
英単語を覚えることはおすすめしません。

逆に発音記号とともに
英単語の発音を学習すれば、
より英語が聞き取りやすくなり
通じやすくなると思います。

また英語を読むときも
頭の中で正しい発音で
英語を響かせることが
できるでしょう。

するとよりスムーズに英語を
読んで理解できると思います。

したがって とにかく英単語の発音は
音声だけでなく
発音記号が必要であると思います。

■ここ4話のまとめ
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  1. 発音記号付きでまず英単語の発音を覚える
  2. 次に英単語の意味を覚える

以上のようにすると、

  • 英単語を覚えやすくなり
  • 英語を聞きとりやすくなり
  • 英語をよりスムーズに読めるように
    なると思います。

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……

さて、次はある学者が調査した
「英語ができる人とできない人の違い」について
お話しいたします。

脚注、引用・参照文献   [ + ]

1.アメリカ英語ではɑとɔを区別しない場合があります。ですので、「お」のような発音だと思われているɔは「あ」のように聞こえる場合があります。